4話、つづきです。
劉邦の話は、水源抗争の後いったん終わって。
(あ、いけね。呂稚が女の子を出産しました。書き忘れ。劉邦の長女です)
場所がかわります。
国でいうと、<韓(かん)>の国。

ここに、人がいます。
立派な家の門前から、荷物を持って出ていく人たちの横で、
座りこんでおられます。

出ていくのは、解雇された使用人たち。
彼らを解雇したのが、この家の主人。

はい、出ました~~~!!
張良(ちょうりょう)さまです。
のちに、<漢の三傑>と呼ばれるようになる方のひとりです。
この方にも、(個人的に)敬意をこめて、さま、をつけていきます。
(漢の三傑、これで2人目。1人目はもちろん、蕭何さまです)
張良さまに関してはナレーションで説明がありましたが、少し補足もかねて
ご紹介。
張良さまの家は、ずっと韓の国で宰相を出していた、貴族です。
なので、張良さまは貴族のおぼっちゃんなわけですが、お父上が宰相をして
おられた時分に、韓は秦(しん)に滅ぼされてしまいました。
国は蹂躙されて、お父上も亡くなられて、若くして家の主人になられたのですが、
とある決意をされて、使用人を解雇し、その頃に死んでしまった弟の葬儀もださず、
お金をためて…。
ナレーションでいうところの、「やらなければならぬことがあった」、とのこと。
てことで、張良さまはとある目的のため、動き出します。
お話はそのあたりから。
さて、張良さまはひとりでお出かけです。
どこに行ったのかな?

鍛冶屋のようですね。
険とクナイ(忍者が使うやつ)の間みたいな、でも剣かな、を注文していたみたいです。
前にも書きましたが、秦の法は厳しく、刃物ひとつ持つにも登録制、許可がいります。
もちろん、張良さまはそこんとこは秘密で作られたようです。
「バレたらやばいですよ」
みたいなことを鍛冶屋の亭主に言われていると、誰かが鍛冶屋に入ってきた。
あわてて剣を隠して振り返ってみると。

倉海君(そうかいくん)、というゴリっとした兄ちゃんが。
いかにも腕っぷしの強そうな倉海君は、重しのついた武器を注文していたようですが、
「まだ軽いぞ。もっと重くていい」
そんな会話をしている。
張良さま、それを見て、

やだそんなにじっと見て。
ということではなく。
倉海君が気になる様子。とある目的のためでしょうか?
「もっと重くしてくれ」と頼んで出て行く倉海君のあとをそそっと追って、

(あらら背中の裾を緑色に染めてオシャレさん)
じゃなくって。余計なことを言っちゃうな。
鍛冶屋の亭主に、「あれは誰だ?」

倉海君のことを聞いて、「重くしてやれ。代金はわたしが」
どうするつもりでしょうか。
張良さまの出番は今回はここまで。
で、また場所が変わります。
こちらは、秦の都。やっとのご登場、<咸陽(かんよう)>です。

咸陽が出てきたということは、始皇帝が大好きな巡幸から戻ってきたって
ことですね。やれやれ、長旅だった。

宴会中。(1番奥に、始皇帝はいます。画質がアレで申し訳です)

始皇帝。手づかみで肉をもぐもぐ。
や~~都に戻ってきたしゆっくりしちゃうな~~つって。
皇帝が戻られたので、ほかの秦組も勢揃いです。

もちろん趙高(ちょうこう)とか。
あと写真ありませんが、始皇帝の末っ子、胡亥(こがい)もいます。
では、そのほかの秦組。

李斯(りし)。
秦の丞相(じょうしょう)です。始皇帝のお気に入り。
秦が大陸を征服する前から始皇帝の元で働いています。
ご機嫌そうな李斯のおじいちゃん、末席に向かって誰かを呼んでいるようです。
誰かな?
「司馬欣!司馬欣!」
え?司馬欣(しばきん)?

おー、欣くん。咸陽に来てたのか。
前に人を殺した項梁(こうりょう)を、逃がしてくれた秦の役人です。
前はたしか…彭城(ほうじょう)あたりにいたと思ったけど。
東のはしから、西のはしまで来たようですね。長旅だっただろうなぁ。
おじいちゃんに呼ばれてパタパタ走ってゆくと、
「項梁とかいう楚人(そひと)が咸陽にいるらしい」
え!?項梁が来てるの!?
わたしもびっくりしましたが、司馬欣もびっくりです。
なにしろ自分が逃がしたわけで…。

李斯から渡された肉をもぐもぐしながら、「やべー…」というこの顔。
李斯は別に逃がしたうんぬんを言っているようではないようです。
ただ司馬欣に、「(項梁を)探し出して、殺せ」
欣くんも平静をよそおって、「かしこまりました」
苦労人だな。がんばれ。
さて宴会は楽しげに続いていますが、奥の方でこそこそ言っている奴らがいます。
始皇帝の食べ方が汚い、品格がどうのこうの、世辞をいう役人にもケチをつける。
うるせーやつらだな。
誰だろう??

誰ということもなかった。
彼らは儒学者(じゅがくしゃ)でした。
なるほど礼儀にうるさいわけだ。
儒学者のひとりがわざわざ前に出てきて、始皇帝にもの申す、とのこと。
今の秦の政治の仕方に異議があるようです。
軍が力をもちすぎとか、地方分権にもどすべきだとか。
始皇帝にむかってそんなこと言ってもいいのかな?
奥に戻っていった始皇帝はこんな感じ。

何なの、あいつら。朕(ちん)にむかってさ。
すげームカつくんだけど。もう全部燃やしちゃおっかなー。
注:朕(ちん)、とは皇帝の一人称。始皇帝が自分で決めました。
第4話はここまで。
劉邦組のアイドル、張良さまは何をするのか。
怒っちゃった始皇帝はといえば、教科書にものってる有名な凶行に及びます。
それでは新キャラ紹介。
■劉邦組
■張良(ちょうりょう)
韓(かん)の旧貴族のおぼっちゃん。
のちに劉邦と出会って、軍略でみんなを助けます。
本人はどちらかというと身体は弱いし戦闘もできませんが、
情報収集と軍略に長けていて、前線でゴリゴリはたらきます。
後方でのバックアップは蕭何さまの十八番(オハコ)なので、
この2人が劉邦軍を支える柱になっていきます。
育ちがいいからか、口調も穏やか。みんなから慕われます。
その実、中身には熱いものがある人で、時々、びっくりするほど
苛烈になることも。そういうとこも素敵です。
たしか、字(あざな)は子房(しぼう)。
倉海君(そうかいくん)については省略。
■秦組
■李斯(りし)
秦の丞相。
丞相というのは、君主に仕える最高位の官。最高にえらい政治家、くらいなもの。
秦が他国と戦っている時から始皇帝を助けていた有能な人。
この先、とある選択を迫られて……ひどい目にあいます。
始皇帝のお気に入り。
だんだん人が揃ってきました。
キャラが増えると楽しいです。
1番好きなキャラはまだ出てきてませんが……。
ひとまず、アイドル張良さまの動向にご注目。