昨日、見てなかったワーくらいの軽い気持ちで
『新しき世界』をみて、
打ちのめされ、
「う、うわさには聞いてたけどこんなにパンチ力あるとは…」
としみじみしたりしています。

いろんな映画が公開されていますがなかなか行けないので、
家でいろいろ見る日々。
帰ってきた同居人がテレビを見て「お、これは…」と言うので、
「New World」とだけ答えましたが、
「あ!まだ見てないねん!」
すぐにどの映画かわかったようでした。
それくらい話題になっていた映画だった…劇場で観たかったなぁ。
さて、本題です。
劇場で観といてよかった…と現状いちばんハマりにハマっている映画についてのお話。
もうそろそろ劇場公開も終わりだしておりますので、ネタバレ関係なく書きます。
ご注意を。
『ザ・コンサルタント』
真顔の目が死んでいる、もしくはチベットスナギツネそっくりと話題の
ベン・アフレック主演のアクション映画。
田舎町のしがない会計士が、実は裏社会の帳簿をいくつも仕切っている
デンジャラス会計士で加えて、いざとなったら殺人マシーンにもなれる手だれだった、
――というお話。かいつまみすぎ。
ざくっと内容を説明すると、田舎町のコンサルタント、
クリスチャン・ウルフは
ある日、大企業の帳簿の調査をすることになり、そこで知り合った会計士の
デイナと交流しながらほっこりしていると、その帳簿から裏金の存在が
明らかになり、それに気がついた2人に殺し屋が送り込まれる。
のと同時進行で、お茶目な殺し屋ブラクストンの仕事や、
裏社会に関係している会計士の正体を突き止めようとする財務省犯罪捜査部の
捜査の手がクリスチャンに迫ったりする。
という感じのお話。
内容だけ書くと「まぁ、ありそうなお話ですね」となります。
が、これは観たあとに「そ、そんなつもりじゃなかった…」と思う映画だった!!

なにが好きって主人公の
クリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)の
キャラクターと演技…!が素晴らしかったです!!
クリスは高機能自閉症の青年。
(物語では言及されませんが、あの計算能力の高さはサヴァン症候群でもある気がします)
軍人であった父から強く生きていくためにと、肉体的スパルタ教育をうけて
育ち、結果、殺人マシーンになっています。
音や刺激に過敏に反応してしまうのを鍛えるためか、家では音+刺激訓練を
しながら安定剤を飲んだり。こだわりが強くて仕事を最後まで終わらせないと
パニックに陥ったりもします。
普段はほぼ真顔で全力で
チベットスナギツネなクリス。

ただ、農場をもつお金に困った老夫婦に、税金の抜け道をしめして
助けてあげたりと、
「あ…なんかいい人かも…」感もにじみ出ます。

自宅で仕事している場合は税金が免除になります、ということで、
戸惑いながら質問に答える夫に、親ゆびをあげてちょちょっと動かすだけで
ダイニングの広さを大きめに言わせたりとか、使ってるトラックを、
「社用車ですね」
と答えたりするシーン。すごく好き。この老夫婦もかわいい。
このあと夫婦に「農場があるんだ、ぜひ来て」と言われて「射撃ならします」
というクリスは、ほんとに農場にお邪魔して、対物ライフルでメロンを
吹き飛ばしたりするのでした。
家の中からそれを見ている夫婦に、ちょこっと手をあげて挨拶するのが
カワイイ。
(このあとクリスに送り込まれた殺し屋が夫婦の家にやってきて
ちょびっと巻き込まれたりもしますが、夫婦の目の前で殺し屋を
絞め殺したあとも、まったく同じ仕草で「じゃ」みたいに手をあげて
去っていくテンドンも本当ににかわいいです)

大企業の帳簿調査のときに知り合う
企業の会計士
デイナ(アナ・ケンドリック)との交流もステキです。
長机につっぷして爆睡しているデイナを、ドアを閉める音とか、
座っているイスの背もたれをゆさゆさ動かすことで起こそうとする
クリスとか。おかしかった。

デイナもちょっとだけズレてる理系の子な雰囲気ですが、
はじめはそっけないクリスにぐいぐい話しかけたり、
数字の話になるとテンションがあがって早口になるクリスと
「じゃあれだ!」、「それならこれ?」と盛り上がったり。
こういう時はベンアフの死んだような目も生き生きとして
(ひどい言いよう笑。わたしはベンアフ好きですよ、ほんとに!)
ちょっと笑ったりもします。
う!かわいい!
もーあと
帳簿の計算シーン。
よかった~~!アクションシーンもいいけどここもすごく好きです。
テンポもいいし、マジック投げるのもいいし、腰くねくねさせて体ほぐしてるのも
かわいかったし。
なにより、計算するの好きなんだな、って見えたんですよ。
なんか楽しそうで。
ま、とにかく、クリスがめちゃくちゃかわいくてですね、
すごく好きになってしまったって話なんですが、
それだけだとそれだけな映画に思われてしまう。
いやちがうんです!
いろいろ話も入り組んでて、キャラもさまざまで、会話劇としても
楽しめる要素が満載なんです!
でも、もーーすごく長くなってきたから省略していきます!

財務省犯罪捜査課のふたり。
謎のコンサルタントを追う2人ですが、実は
レイモンド(J.K,シモンズ)は
クリスとは因縁がある関係だったりします。
オープニングに出てくる襲撃事件から始まった関係。
(この襲撃シーンもいい。はじめから「あ、これは、いい映画だな…」と思えます)
この2人の捜査でわかるクリスの過去や仕事の実態など。
みどころ満載。J.K.シモンズはしぶくてステキな名優ですね。

もうひとりのキーパーソン。
殺し屋の
ブラクストン(ジョン・バーンサル)。
ノリは少し軽めですが、仕事はキチっとやる殺し屋。
基本的にやり方はスマートです。
大企業の重役の家で「おまえは今から死ぬよ」という説明をしてる時も
「抵抗されたら上で寝てる奥さんにも乱暴して殺さなきゃならない」
って言ったら泣き出してしまった重役に、
「乱暴はしないって」と笑って、ついこういうことを口にしちまうんだよね、
とか言う。お茶目な殺し屋。
で、彼が誰かというと、実はクリスと一緒に父親から
肉体的スパルタ教育を受けた
クリスの弟だったのでした。
子どもの頃から「クリスの友達は弟だけ」といわれ、父親からは「家族が第一だ」と
教え込まれているブラクストン。
完全なるブラコンです。
最終決戦の最中、戦ってる相手がクリスだとわかるとすぐに戦闘を中断。
聞かない自分側の殺し屋を撃ち殺したりして、クリスには、
「ずっと探してたんだぞ」とか、
「なんで連絡くれなかったんだ」
とか、
「オレなんかどうでもいいんだ」とか。
……なんだよ、このかわいい弟は。
そんな感じ。泣いちゃったりして。

弟は大企業に雇われた側の殺し屋なんですが、
自分とデイナを殺そうとしている黒幕が大企業の社長だと
わかってソイツを殺しに来たクリスにとっては、
仕事は終わらせないと気がすみませんので、のこのこ出てきた
社長をあっさり射殺。
で、チラっとブラクストンの方を見て、
「…Sorry」これがまたかわいい……。
クリスのトレーラーの中身の芸の細かさや、
コンサルタント・メシや、
デイナの服装がだんだんかわいくなっていく、や、
ほかにもいろいろあります!
でもやっぱり
ストーリーがよくて!
クリスが過去の辛かったことにぐーーっとなってる顔とか、
裏金について教えてくれたフランシスとの交流や、
いろんなことが組み合わさって、見ていくうちにパズルのピースが
はまっていくような快感と、クリスかわいい問題と、
で、最後!
最後の、まさかの
パートナーは彼女でした、というオチ!
すばらしい!!!
あそこではっとして、もーーぐーーっと泣けてきました。
(で、帰り道で「悔しい!!ブラクストンは誰かすぐわかったのに!彼女のこと
気がつけなかった!!ちくしょう!パズルのピース渡してくれた時点で、
クリスを補助する人、という立場を明確にしていたというのに!!」
って悔しがりました笑)
芸術の話がつながるのもよかったし、
ラストにクリスが微笑むのもよかった……。
あ、そうだ!アクションも好きです!!
パンフレットを読んで感動したのが、
「クリスチャンの頭脳を理解し、彼ならどう戦うか」という考えのもと、アクションをクリエイトしたという話。
「(彼なら)できる限り簡潔に、素早く効率的に排除するだろう」
てことで、ベン・アフレックは
プンチャック・シラットという
インドネシアの格闘術を学んだそうです。
直線的に前進しながら敵を倒す感じだそうで、いやその雰囲気、
クリスにバッチリはまっていました。楽しかった…。
ということで。
長いわりに映画の中身がちゃんとわかるのか謎な駄文になってしまった気も
していますが、とにかく、ストーリーとキャラが一体化してぐっと引き込まれ、
かつキャラを好きになれる、とてもステキな映画でした。
観れて本当によかった。
最後に。
劇中でイチバン好きなクリスの服装。
ムチムチボディが強調されながらも
ザ・普通の人!なかっこう。
かわいい。
かばんからするっとサイレンサー付きの銃をとりだすところもステキ。
ベン・アフレック!アタリ役だね!
といった感じです。続編あったらすごくすごく嬉しい…ないかなぁ…。
『グッド・ウィル・ハンティング』の時から好きではありましたが、
バットマンの時のちょっと老いたブルースといい、
今回のクリスチャンといい、
個人的にはウハウハなベンアフを楽しめました。今後の活躍にも期待…!!!