前回の記事の補足。
前漢の武帝については、ハードボイルド北方謙三せんせいの
『史記 武帝紀』という本もございます。

わたしはまだ読んでないので内容に関してはご紹介できませんが、
オールタイムベストブックに<北方三国志>が入っている以上、こちらの本も
面白いこと間違いなし!!でしょう!(いつか読む!)
さすがハードボイルド、漢(おとこ)の、漢たる生きざまが!読めることでしょう!
(いつか読む!!!)
もひとつ補足。
読むべき文献として、『史記』のほかにも
『漢書(かんじょ)』もありました。
後漢時代に書かれた歴史書で、前漢について書かれているものです。
『史記』で手一杯なので、こちらはそのうち……ご紹介できれば……(遠い目)
では、本題です。
King's Warは20話です。やっとこさ四分の一。
第20集 『晨曦(しんぎ)の想い』前回では章邯(しょうかん)将軍が出撃。
秦の反撃が始まります。
劉邦は食糧を手に入れることに成功。ちょっとほっとしております。
というわけで、今回は秦の首都、咸陽(かんよう)へ戦勝報告がくるところから。
章邯将軍は順調に勝ち進んでいるようで、報告を受けた趙高(ちょうこう)は
大好きな処刑の真っ最中でしたが、それをさくっと済ませます。
その後、戦勝を祝う宴まで催されるとか。
晨曦の姫さまもお着替えしながら、こうして勝っていけばきっと章邯も
早く帰ってくるんじゃないかと気もそぞろ。新婚さんだしねぇ。
(つか、この時点で
出撃から半年たってるそうです。あっという間だな…!!)

さて、趙高も祝勝会の準備中。
でもなんだかご機嫌ナナメのご様子です。
趙高としては、あまり章邯の人気が高まるのはいいことではありません。
なかなか綱渡りの恐怖政治で現在の地位を保っているので、章邯の様子が気になります。
側近のような宦官の崇信(すうしん)に、軍中の様子を聞いております。
どうやら章邯陣内に密偵(スパイ)を置いているようです。そういうとこはぬかりなしですね。
崇信は、章邯将軍の信望はそりゃもう深いもんでございます、とニッコニコ。
近くの兵士に、そうだろ、言ってみせよと促しちゃったりして。
兵士も、「誰もが将軍に心服しております!」と答えて、いよいよ不機嫌な趙高に、
「そやつを棒打ちの刑に」
完全なとばっちりをくらいます。かわいそうに…。

大慌ての崇信。
趙高の機嫌をそこねた理由がわかりません。あわわーー!と膝落ち。笑
「戦勝報告は全部で…12回でございますぅー」
とか言ってね…。まぁ、落ち着いて…。
趙高はプリプリがおさまらず、祝勝会も取りやめにしてしまいます。
祝勝会は胡亥(こがい)の勅令ですが…と崇信は心配しますが、
んなこた知るか、あとで自分が言っとくわい、とみかん(かな?)を
ぱくつきます。

そんなこととは露知らず、ないがしろ2世皇帝、胡亥くん。
「ついに宮廷へ行けるのだ♡」
ご機嫌です。祝勝会で外に出られるわけですね。
章邯を出撃させてから宮廷へ行かせてもらえてないのなら、半年ぶりですか?
「このままでは、自分が皇帝であることすら忘れてしまいそうだ」
今まで見たことのある胡亥像では、たいてい宮殿の奥にこもりつつ、
飲食、女、などなどに溺れて楽しそうにしていましたが…この胡亥は若者らしく
何かしたくって、こもってるのには飽きているご様子。
そのためか…
侍女「まぁ!」
胡亥「何だ?」
侍女「陛下…
白髪でございます」
ええぇぇぇーーー!??

「朕はまだ…21歳だぞ!」
わ、若白髪…!!ひぇぇーー!ストレスだよ胡亥…!!
胡亥はそれを、「この1本だけ!唯一無二!朕と同じだ!」
とか叫んで残すことにしましたが…だんだん悲壮感でてきたなぁ…。

そこに趙高がやって来ました。
侍女たちを下がらせて話を聞くと、なんでも趙高は先代(始皇帝)の夢を見たとか。
「胡亥の枕元に文を置いた」
と伝言されたそうで、もちろんそんなもんはありませんが、一緒に来た宦官が袖から
そっと巻紙をだして枕元にこれがとかもう……省略!!(どうでもいいから!)
結果、胡亥は大病を患っている!!ということになりました。
だから部屋を出てはなりません!仙人から薬をもらわないといけないから!
だから祝勝会もナシ!!
胡亥もさすがによくわからん、という顔をしつつ、趙高に言いくるめられ、
「誰か!!」もう、どうしてなの!?みたいな声で、「朕は、病気だ…!!!」
…白髪が増えるかもなぁ…胡亥…。

祝勝会はなくなったと聞いて、かわいそうな晨曦。
準備したのにね。
しかし雲行きがあやしいな…と、どこか不安げです。

その頃、だんなの章邯将軍は。
新しく派遣されてきた2武将とご挨拶。誰かというと。

董エイ将軍と。

司馬欣(しばきん)。
欣くんお久しぶりですね。前に、2回ほど出てきてます。
人を殺した項梁(こうりょう)を無罪放免にしてやったりとか。
これからは章邯のもとで働くようです。がんば。
章邯は2人に、あんゆう、けいよう、らくよう…とか、あちこちの地名を出して
そこに行けと命令。

章邯の見ていた地図。アバウトすぎて使えん…!!
この時代、アバウトなのは当然として、海岸線の形がすごい正確で逆に気持ち悪い!!
とか、そういう話は置いておきまして…。

えー…だいたい、このあたり(オレンジの〇)に攻め込もうとしています。
ちょうど山間部を抜けて中原へ出る、出入り口くらいにいるのかな?
黄河よりは南にいるとは思うのですが。
(咸陽に迫っていた敵将・周文は、章邯出撃の2ヶ月後くらいに自刃。
それから間もなく、陳王も内紛の末に殺されます)
ということで、章邯が戦っているのは陳王軍の残党や、各地に起こった王たち。
そのうち、項梁軍ともぶつかります。

さて、その頃。場所は変わって。
白を基調としている軍といえばーー?

はい、コチラ。けっこう久しぶりな気がする、項梁陣営です。
ぼっちゃんもブチ切れ初陣から半年がたってることになるので、
ちょっとは落ち着いたでしょうか?
兵士の報告によれば、みなさん元気に戦っておられるようです。
現在地は、これから起こることから推測するに淮河を越えたあたりなので…
前の会稽(かいけい)からはかなり北上しました。劉邦(りゅうほう)の位置からも
けっこう近い。
上の地図でいうと、右下の方に<大沢鄕>っていう陳王たちが挙兵した場所が
あるんですが、そのあたりに近いです。
さてさて。
項梁おじさんが言うには、近くに章邯のもとから脱走した英布(えいふ)がいるようです。
英布の戦ぶりは聞こえているようで、おじさんとしては「殺すには惜しいなぁ」とのこと。
するとぼっちゃんが、「兵を500ください」。
え…。不安だなぁ~…どうする気でしょう??

はい…こうしました…。
夜襲!焼き討ち!!相手はそんな数いないだろうが!そこまでする必要あるの!?
ぼっちゃんは馬で英布の陣内を駆け回り、ついでに向かってきた兵士を
槍で突き殺したりしながら(やめとけよ!)、騎乗のまま英布のテントの中へ!

外の騒ぎに目を覚ました英布。起きてみたら、目の前にこんな奴が…!
「英布だな。ついて来い!」
とか言って外へ飛び出す項羽に、ボーっとしていた英布も、
「襲撃か!」
やる気になって出ていきます。
それから…項羽は林の中を走って英布たちをおびき寄せて、
途中、バサバサーーと作為的なのか偶然か木が倒れたりして
落馬した英布を槍で脅します。
「英布、わたしを知っているな?」

英夫は、ぺっとつばを吐いて、
「項羽は英雄とみな言うが、コソ泥のように夜襲をかけるとは下劣な奴!」
キモがすわってます。
「狡猾な奴よ」
こ…狡猾…??項羽がぁぁ!??
こんな猪突猛進型を!勘違いだよ英布ーー!
※狡猾・こうかつ/わるがしこいさま。ずるがしこい。ツッコミを入れているうちに、そんなら、
「明朝、両軍の前で改めて勝負しよう」と、項羽が持ちかけます。
英布の「オレは手加減しねぇぞ」というような答えに項羽はご機嫌。
(このぼっちゃんはイイ漢が大好きなのです)
ハッハッハッ、と笑って去っていきました。

ということで、明朝、2人は一騎打ちを行うようです。
なんだかな…。
普通に仲間にはなれんのかいな。
てとこで、前半はここまで。
どうなる英布!??
正直、
「あんなゴリラとなして一騎打ちなんぞせんならんねん!」と言いたいとこでしょうが…。
ま、がんばれ。
後半では、半年後の元気な劉邦組の様子も見られます。
一騎打ちといえば…。
後年、劉邦も、項羽に、
「もうキリがない。いっそ我らの一騎打ちで勝負を決しよう」
みたいなことを持ちかけられる場面があります。
父親ほど歳の離れたオジサンになんつーことを言うんだよ…というシーン。
劉邦も「ワシは知恵で戦うわい」てな答えで相手になりませんでしたが。
あんまり…変わらないのね項羽…。
(一騎打ちでいけるかもと少しでも考えていそうで本当に辛いなぁ…)
そのシーンは、まだまだずーーっと先の話です。