5話目のつづきです。
韓(かん)の国で、張良さまがやる気になっていたその後。
始皇帝は…。
あれ?これは例の巡幸車…。(たしか、おんりょうしゃ、という名前)

なんと始皇帝、また巡幸に出てしまったようです。
国でゆっくりしろよ!
右はじに趙高(ちょうこう)が見切れています。
巡幸の列は、荒涼とした黄色い土地をゆるゆる進行中。
外に出てきた趙高が、
「なんだか嫌な感じだな」
というようなことを言っています。
ここらへんはや~~な感じがする、と、本人が邪悪の塊みたいな顔をしながら、
「邪悪な場所である」
とかなんとか。
カンのいい奴です。というのも、この付近に穴を掘って、
張良さまと倉海君が隠れているのでした。
(しまった、穴に入ってる2人の画像撮り忘れた)
趙高は護衛をしている軍の将軍を呼びつけます。
このあたりを偵察して回れ、とのこと。
「章邯(しょうかん)将軍」

騎馬武者がやってきました。
精悍な顔立ちの将軍。
実は1話目の巡幸シーンにも登場されていました。
章邯(しょうかん)。
有能な将軍です。今後、大活躍予定。
趙高に言われて部隊を連れてあたりを偵察して回る章邯。
あわや張良さまは見つかるとこですが、穴でじっとがまん。
さて、巡幸に使われている立派な轀輬車(おんりょうしゃ)ですが、
始皇帝の乗っているもの以外にも何台か連なっています。
倉海君には、どれが始皇帝のものかわかりません。
「どれが始皇帝の車なんです?」
「護衛が守っているものがそれのはずです」
2人は砂をかぶりながら話していますが、いよいよ、時が来たようです!
今だ!てきな。
しかし2人でどうするんだろう。
こんなにキリキリ考えに考えて戦略を練りそうな張良さまが、2人だけで
どうするっていうのか。倉海君たよりにしても…。
と、思っていると。ばばば!!

大量に飛ぶ矢!

落とし穴に豪快に落ちる轀輬車!(か、金かかってるー!)
さらにそこら中の油壺に火矢が飛び、引火して、ドッカンドッカン爆発。
なんだなんだ、何が起こったんだ!?

さすがの趙高もすました顔をしていられません。
あわあわ這いずって、車の下に潜り込みます。

その頃には、枯葉の下に隠れていた男たちがいっせいに出てきている。
全部で…どれくらいかな…2、30人?いやもっとかな?
とにかくそこら中から武装した奴らが飛び出してきました。
弓をとり、剣をとり、轀輬車のある列に向かって突っ込んでいきます。
護衛する秦軍とぶつかって血みどろの争いに。
これ…戦争じゃん…。
必殺の1擊で始皇帝のみを瞬殺するタイプの暗殺を考えていたのかと思いきや、
張良さまはあるだけの金を使って人を雇い、場所を決めて周到に準備して、
戦争を仕掛けたようです。
さ、さすが…。舐めてました、すみません…。
さて、倉海君も飛び出してゆきます。
おそらく、始皇帝を殺すのは彼の役目のはず。
文字通り、崖から躍り上がって飛んでいった。

両手に例の重しのついた武器を持って、秦兵をなぎ倒しながら、
ひとつの轀輬車を破壊してしまいます。粉々に砕け散る轀輬車。
おそらく中の人は即死。
だけど気がつくと、もっとたくさんの護衛が守っている轀輛車がある。
どうやら始皇帝の車はあっちのようです。車を間違えた。
そちらへ向かおうとしますが、さすがに数が違いすぎたのか、
すでに秦兵に周りを囲まれ、進むに進めず、奮戦しますが。

あわれ倉海君は、大勢の秦兵に槍で突かれて戦死してしまいました。
いい奴だったのに……。
それを高地で見ていた張良さまは、「失敗だ」と悟って、
逃げだします。ここで死ぬわけにはいきません。

轀輬車のまわりで戦っていた章邯将軍は、だいたい下は片付いたかという時に、
張良さまらが逃げていくのを見つけて、追いかけます。
始皇帝の暗殺をもくろんだ集団ですので、ひとりも逃すわけにはいかない。
追いつかれそうになると、生き残っていた2人の青年が張良さまを押して、
「逃げてください張良さま!」

章邯将軍に向かって駆けていきます。
もちろん殺さてしまうのですが…。
張良さまはひとり逃げていきます。
とはいえ相手は騎馬なので、すぐに追いつかれて、
崖の上まできて追い詰められてしまう。

章邯将軍は捕まえようとしますが、張良さまは、心を決めて、
崖の下へダイブ!

あああ!
下は川だけど、大丈夫か!?
その後、張良さまは秦軍には見つからなかったそうです。
てことで、張良さまの暗殺計画は失敗に終わりました。
川にダイブした張良さまはどうなるのか。
……ということは置いておいて、その後の巡幸はといえば。
襲われたことに趙高がプリプリしていたり。
どこからか降ってきた隕石(?)に『始皇帝が死に、領土が分裂する』と
書かれてあったことから、ムッとした始皇帝があたりの民衆の虐殺を命じたり。
散々でした。
始皇帝は「百里四方に住むものを皆殺しに、火を放って焼け野原にしろ」
とのこと。気が立ってますね。
ウロウロ巡幸なんかして顔を晒しちゃって、「殺してくれ」ってなもんで
襲われるのも当たり前のように思われますが。
秦組には不穏な空気が漂っています。
ここで、場所は変わって。
沛県の劉邦(りゅうほう)。

真面目な顔をして、竹簡(ちくかん)、もしくは木簡(もっかん)に書かれた字を
読んでいます。仕事かな?場所は自宅。
(この当時、まだ紙は発明されていません。なので、書物、とかいっても
書かれてあるのは竹や木を細く切って束ねたものになります)
そこに、蕭何(しょうか)さまがやって来ました。
劉邦は喜んで、「ちょうどよかった」、読めない文字の意味を教えてもらいます。
劉邦はあんまり文字が読めません。
蕭何さまは優しく教えてくれますが、どうもお顔の色が優れない様子。
あれ、どうかしたのかな。
「どうかしましたか?」

「労役の命令だ」
劉邦も暗い顔になります。
「100人いる」
場所は、驪山(りざん)、とのこと。
画像の字幕にありますが、そこに始皇帝陵、つまり始皇帝のお墓を
作っていて、そこの工事に人を寄こせ、というわけです。
驪山と聞いて、劉邦は怒ってしまう。
というのも、驪山は秦の首都、咸陽(かんよう)の近く。沛県からはあんまり遠い。
「労役なんていって、それじゃ生きて戻れないじゃないか!」
とはいえ、命令は絶対です。
さて、これからどうするのか。というところで、5話はここまで。
■労役(ろうえき)とは
秦は、重い税をかしている上に、労役(ろうえき)の命令もだしてきます。
これは全国にだされる命令ですが、ただただ、民を徴収して無償の力仕事に
従事させる、というひどいものです。
だいたい、始皇帝の巡幸のための道作りとか、咸陽に作られている巨大な宮殿、
阿房宮(あぼうきゅう)の建設工事であったりとか、さきほどの始皇帝陵の建設工事とか、
土木工事がほとんどのようです。
これがまた過酷な作業で。
「行ったら戻ってこれない」と言われてもいたようです。
加えて、命令通りの人数を期日とおりに連れてこなければ、連帯責任で町ぐるみで
皆殺しにあったり、また、たどり着く途中で嫌になって逃げ出したりすれば、
もちろん故郷にも戻れず(捕まって殺されるから)、流浪するしかなく、
そのまま野盗の集団とかして村々を襲ったり、そうすると、今度は襲われた村が
困窮してまた別の村を襲ったり。
とにかく、ひどい悪循環の坩堝になっている、というのが現状のようです。
まじかよー…こんな世界に住みたくないよ…。
そんなことに駆り出されることになってしまった劉邦。
大変ですね…。どうするんでしょうか。
といったところで。
地図で解説。

劉邦が驪山まで行くのは……。どれくらいかな。
青森県から山口県まで歩く感じでしょうか。本州をつっきるくらい。
で、道の整備されてない、野盗だらけの土地を、100人連れて歩く、という。
えーーー。無理だぁーー。と、言いたくもなりますね、こりゃ。
では新キャラ紹介。
■秦組
■章邯(しょうかん)
秦の将軍。
非常に有能。個人的にけっこう好きでした。
この先、各地で反乱軍が暴れだした時、秦軍の総大将として
活躍します。
今回の暗殺未遂事件でもかなり立ち働きました。
いち武将としても、指揮官としても有能な様子。
どうも車に乗ってた王族の姫といい感じのようです。
(姫に関しては省略。1話で胡亥(こがい)と一緒に車に乗っていた子)
------------------------------------------------
今回は張良さまの仕掛けた戦闘でアクションシーン多めでした。
迫力満点。
でかい火の玉とか転がって人が燃えてたりしました。
……すごいな。
撮影風景の写真がありました。

(画像参照/http://xiaoq.exblog.jp/)
かわいい……。
倉海君、今回で退場です。
いい奴だったな……。
張良さまはこれからもがんばってゆくよ!
ということで、6話目は、しばらくお休みしていた項羽(こうう)のご登場。
あいかわらず、故郷を離れてムシャクシャしているようです。
あとは、劉邦の労役問題などなど。
こうして見ると…やっぱり劉邦の方が苦労してるなぁ…。